2015年8月30日(日)              第65回みんなで平和を考えてみる集い

日時  2015年8月30日(日)10時~12時15分

会場  小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)

演題  紛争の現実と安保法制~自衛隊は何をすべきか~

話す人 伊勢﨑 賢治さん(東京外語大大学院教授・平和構築論)

伊勢﨑 賢治さんプロフィール

 1957年東京生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了(都市工学・建築)。東京外語大大学院「平和構築・紛争予防講座」担当教授。インド留学中、スラム住民の居住権獲得運動を組織。のち国際NGOに在籍し、アフリカで開発援助に携わる。国連PKO幹部として東ティモール暫定政府の知事、シェラレオネで武装解除、アフガニスタンでは日本政府特別代表として武装解除を指揮。

 著書に『日本人は人を殺しに行くのか  戦場からの集団的自衛権入門』(2014年朝日新書)『本当の戦争の話をしよう』(2015年朝日出版社)ほか多数


武装した自衛隊を海外に送るニーズはない。

 安倍政権は圧倒的多数の憲法学者や歴代の内閣法制局長官らが違憲と指摘しているなかで、アメリカの戦争に参加し地球の裏側まで自衛隊を派兵させる「戦争法案」を、今国会で強引に成立させようとしています。

 国際常識では銃を撃たなくても機雷を取り除くホルムズ海峡の掃海は武力行使であり、石油資源確保や邦人保護を理由にした武力行使は侵略になります。

 国際紛争は軍事力では解決できません。「民心の掌握」という非軍事の分野で、憲法9条を持つ日本の平和ブランドで中立・非武装の国際貢献が求められています。

 いまや武装した自衛隊を海外に送るニーズはない、自衛隊を武器を持って海外に出してはならない、もし出すならば憲法を改定してからだ、自衛隊の根本的な法的地位を国民に問うことなしに自衛隊を海外に送ってはならない、と伊勢﨑賢治さんは言います。

 国連職員や日本政府代表としてアフガニスタンなどの紛争地で武装解除を指揮した経験を踏まえて、安保法制の問題点について語っていただきました。


当日の講演記録

当日の模様

参加者アンケートのまとめ

【参加者数】

参加者 121

【参加者住所】

市内80人、市外41人 

【参加回数】

初参加27人 2回目9人 3回以上85人 

【アンケート回収数】

33枚(よかった30枚 ふつう1枚 よくなかった0枚 無回答2枚)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

.郵送案内のはがき(22) 2.市民掲示板のポスター(8) 3.新聞折込のちらし(4) 4.HPで(1) 5.友人・知人から聞いて(4) 6.メディアの案内情報(2) 7.その他(0) 


参加者の声

1 非常に明解で分かりやすく説得力のあるお話しでした。PKO法案についてのお話し、参考になりました。23年前大反対しましたので。現状を知ることができよかったです。法案が通ってもあきらめず。これからだという思いを共有しがんばりたい、という気持ちになりました。ありがとうございました。

2 観念的でなく、実際の話がお聞きできて本当に良かったです。無知な私は、国連はディズニーランドのイッツアスモールワールドの世界をめざしている、と思い込んでいました。考えを根本から見直す必要があると痛感しました。子どもにどう説明して教えればいいか、考えがまとまりませんが、ご著書をしっかり読んで導きたいと思います。

3 単に目先の反対運動に関してのみでなく、自分の立ち位置を示してくれました。

4 印刷物からでない情報を得ることができた。直接ご本人からお話を聞く機会が得られて貴重であった。

5 今後いろいろと考えて行くためのヒント、知識をいただきました。寄付文化のなさについての指摘は納得します。赤十字などの交通遺児募金は出すが、個人の判断で出す文化は少ないと思います。西欧の人々の行動の違いが気になります。

6 おもしろかった。自衛隊の法的根拠、側面をもっと学ぶ必要があると痛感した。

7 紛争の中でのPKOの活動の現実について理解できた。そのベースとなる国連憲章の安保規定について、勉強をする必要を感じた。ただ日本の安保論争とはズレがある。その説明がもっと欲しかった。主催者もこのズレについて勉強して欲しい。

8 世界の各地での紛争と集団自衛権、自衛隊についてとても参考になる講義だった

9 戦争法案反対の「学者の会」は、国民を励ましていると思いますが、すこし先生は批判的におっしゃっていましたが、その理由が良く分かりませんでした。なぜでしょうか?

10 「非武装は武器」という考えに共感しました。レアメタル、ダイヤなどグローバルな世界にあらためて集団安全保障に巻き込まれる怖さを知りました。国際面からの違憲、よく分かりました。ぶれないようにします。

11 価値観が異なったとか話されたので、なるほどとよく理解できたところとできないところがあり、再度こなれた話を聞きたい。

12 現在の課題その基本的な問題、原因がとても整理された説明で、とても良く分かった。

13 これまで続けられてきたPKO活動の問題点が改めてよく理解できた。非武装の国際軍事監視団活動の現場のVTRには、鳥肌が立った。憲法の中で自衛隊をきちんと位置付ける必要があると思う。とてもよい講演でした。

14 分かりやすかったです!自衛隊の規程を見直さなくてはならないことが、よく分かりました。

15 種々の考え方、ビデオ映像など多様な方法で(講演されて)分かった。

16 目からウロコの話で、もう一度ご著書を読んで頭を整理したいと思います。お題目だけではダメ!勉強しなければ!!

17 語尾が聞き取りにくい個所があったが、お話しは大変良く分かりました。

18 「相場が変わる」と言われたが、相場を変える政権に肩入れしたマス・メディアの責任の追及、市民力の脆弱さの指摘までは期待できない。

19 「すべての戦争は自衛意識から始まる」(森達也・ダイヤモンド社)でかなり分かったことが多かったが、その余白を埋めるところがよく分かった。戦争法案とお金の関係も、もっと唱えた方がいいと思った。国連は戦勝国のもの、というのもうなづけた。非武装を武器として使う、というところが印象的でした。とてもすばらしい講演会でした。

20 安全なところで平和を唱和することへの厳しいご発言、言い返す言葉が見つからない。他人への関心の薄さ、安倍だけの問題じゃあないといつも思いつつ・・・

21 イラク、アフガンですでに違憲状態であることを再確認できた。PKOの現状と日本の役割(非武装)を認識した。安倍政権のPKOの参加(法案成立による武器使用の緩和)は大変危険。

22 世界と日本の関連がだいぶ理解できました。もっともっと勉強が必要だと思った。マスコミは本当のことを伝えてくれない。PKOに個人のお金を出して丸腰(非武装)で白旗を上げて行くことが大切である。自衛隊(軍隊)を出してはいけないとつくづく思った。

23 日本は、国連保護観察下にあると知りました。日本は、核兵器廃棄に大反対していることも先日知りました。67歳になって初めて知ったとはいったいなにごとか?

24 紛争の現実と法制の問題点がほんとうによく分かった。伊勢崎さんと質疑をしたかったです。(講演が延びて会場の使用時間がなくなったため、質疑時間を省略しました(主催者注))

26 私には難しいことも多かったですが、紛争地の実態など知らなかったことをたくさん知ることができました。

27 分かったところも、よく分からなかったところもありました。

28 いろんな意味で勉強になりました。

29 話が実践的だった。外国へよく行って広い事情を見てきているからでは。


■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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