日時 2015年12月6日(日)10時~12時15分
会場 小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)
演題 いま、アベ政治にどう立ち向かうのか~戦後70年・憲法と戦争法と路上の民主主義
話す人 小森 陽一さん(東京大学大学院教授・九条の会事務局長)
■小森 陽一さんプロフィール
1953年東京生まれ。北海道大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程修了。東京大学大学院教授、日本近代文学専攻。「九条の会」事務局長
著書に『軍事立国への野望』(共著、かもがわ出版)、『岩波新書で「戦後」をよむ』(共著、岩波書店)、『あの出来事を憶えておこう 2008年からの憲法クロニクル』(新日本出版社)、『死者の声、生者の言葉』(新日本出版社)ほか多数。
■あきらめずに闘い続けること。
9月19日未明に国会で「戦争立法」法案が強行採決されました。
「アベ政治」は憲法により守られてきた戦後70年の平和社会を嫌い、武器輸出三原則の廃止、日本版NSC創設、特定秘密保護法制定、集団的自衛権行使容認に続く戦争法制定により、再び戦争ができる国に変質させようとしています。
いま、「アベ政治」によって戦後憲法体制は大きな岐路を迎えています。しかし全国で国会正門前で、かつてない多くの市民が立ち上がり、戦争法反対の声を上げました。路上の民主主義の出現です。
憲法は、私たちの自由及び権利はこうした「不断の努力」でこそ保持される、と明快に規定しています。
いま私たちは歴史的にどこに立っているのか、「アベ政治」は私たちをどこに連れて行こうとしているのか、「アベ政治」にどう立ち向かうのか、小森さんにお話しいただきました。
小森さんは現在総がかりで取り組んでいる「戦争法廃止を求める2000万人署名運動」の意義を、単に署名欄を埋めるということではなく、「機会があれば戦争法廃止に向けた行動に参加したいと考えている人たちがいる。その人たちに私たちはまだ出会えていない。この署名活動がその仲立ちになり、その人たちと出会い、その人たちがアクションを起こす契機になり、さらに次の人たちに思いをつなぎ広げるチャンスにする。そうした署名運動にしたい。」と熱く話されました。
■当日の講演記録
■当日の模様
■参加者アンケートのまとめ
【参加者数】 |
参加者 123人 |
【参加者住所】 |
市内78人、市外45人 |
【参加回数】 |
初参加25人 2回目12人 3回以上86人 |
【アンケート回収数】 |
45枚(よかった43枚 ふつう2枚 よくなかった0枚) |
【講演を知った機会】(複数回答あり) |
1.郵送案内のはがき(29) 2.市民掲示板のポスター(2) 3.新聞折込のちらし(5) 4.HPで(1) 5.友人・知人から聞いて(4) 6.メディアの案内情報(5) 7.その他(0) |
■参加者の声
1 大変勉強になりました。個人でも取り組みを広くやっていきたいと考えました。 |
2 知らなかったことがたくさん聞けて大変良かったです。 |
3 大変勉強になり面白かったです。 |
4 (戦争法廃止の)2,000万人署名の意義がよく分かりました。9条の会に入ってできることをしていますが、会の大切さ、位置付け、改めてすばらしいと思いました。来年の参議院選挙に向けて「戦争法廃止」の声を、自分のことばで発信する仲間を増やし、実現させたいものです。 |
5 大変いい勉強になりました。 |
6 漠然と分かっているつもりでいた。歴史的な経過、今後の運動の展望などよく説明されて心に残りました。とても勉強になりました。「改憲派」との違いもありがたかったです。 |
7 ありがとうございました。憲法九条についての様々なグループ、人達の歴史について学びなおすことができました。九条を守り、戦争をしない国を続けていくべきと考えます。そして、世界へこの平和憲法を広げていきたいものです。平和憲法を一人でも多くの人によく理解し、守っていくように薦めたいと思います。 |
8 中学時代の日本史の授業で戦後史の前で時間切れになり「あとは自習」と言われ、納得のいかない思いをずっと引きづっていたのを思い出します。今日のお話のような講義が若い人対象にもどんどん行われることを強く希望します。 |
9 戦中戦後を生きた者として、絶対に戦争はやってはいけないと日常思って生きてきた。こんな身近でいい勉強会に参加できてよかったと思った。こんな会は初めて参加なので、小金井住人の友人にも電話をしてみました。彼女は最初から今日はその勉強会に当然参加するとのことでした。私もこれを機会に微力ながら勉強をしたいと思いました。 |
10 とんでもないことがどんどん進んでいるが、私たちがまとまっていき、声を上げていかねばということが、歴史的によく分かりました。ありがとうございました。 |
11 いつもながら流れの中で解説してくれるので理解ができる。最後の武力を持たない九条の理想は理解できるが、私にとっても他の人たちにとっても難しいところです。 |
12 小森さんの話はていねいで分かりやすく聴けて大変ありがたい。 |
13 今日の最悪政権ができるまでの経緯が筋立てて説明していただいてとても良かった。 |
14 分かりやすく、ときにユーモアを交えたお話しで良かったと思います。 |
15 時々の自民党政権が、いかにアメリカのその時の政策によってその内閣が成立したり倒れたりするのかがよく説明されていた。阿部政権打倒を目的とする倒閣運動が当面の目標と考えていたが、これを何とか実現したい、という気持ちがいっそう強くなった。 |
16 二番目の方の質問は、私もとても気になっていたことです。東京新聞を購読しているので、余計にそう感じたのだと分かりました。小森先生のお話のように、武力とは何なのか、という基本に常に立ち返ることを忘れてはいけない、ということを改めて思いました。 |
17 小森さんのお話を聞いていつも思うのだが、背景にある大きな流れがよく理解でき目からウロコが何枚も落ちる。とても充実した内容でした。 |
18 忘れていた戦後の歩みを振り返ることができました。 |
19 戦後の歴史が内容濃く語られて、日々の政治の動きが単発的なことではないことがよくわかりました。「アベ政治」を許さない行動をもっともっと意識していきたい。18歳選挙権の人たちに聞かせてあげたい。小森さんの言葉へのこだわりも、おもしろくききました。 |
20 お忙しい中小金井に来て下さった小森さんに感謝! 小金井を住みよくする会の働きがあってこそです。(安保法制の)歴史の流れをまとめられていてよかった。沖縄の民主主義、自治を認めさせる闘いが重要。日本の民主主義を守るだけでなく、毎日生きていく活動をしっかりとやっていく。特にマスコミ対策が重要。 |
21 きれぎれの記憶をきちんと整理していただきました。会場からの質問への答えの内容が聴けてよかった。 |
22 分かりやすく時事に即したお話しでとても良かったです。 |
23 話しが分かりやすくよかった。真の歴史を知ることの必要を感じた。日米の関係史、政治史、日本の運動の歴史、今回の私たちの闘いの状況など知ることが出来てよかった。 |
24 歴史の話だけでなく、2006年~2007年の経験を教訓とすべきというのは、考えさせられました。 |
25 これまで小森先生の話(講演)を15回以上聞いてきましたが、そのなかで(今回が)一番良かった。歴史的流れの中から、「現在」の話しを導き出してくれたこと。「九条の会」がさらに量的のみならず質的にも飛躍しなければならないこと。 |
26 文学の力を感じました。文学は権力を持たざる者の手に。若い頃のアメリカ文学史の授業は、頭の中が???でしたが、今やっと分かりました。あれは権力者が白人の暴力を正当化するため、かつ一般人もそれに慰められたかったんだ、つまり否認の道具だったこと(北米大陸がなぜカナンの地なのか、誰が決めたのかが分からなかった)。権力を持たざる者が、自分の力を感じられる意味づけ、大切に受け取りました。権力側による分断政策は、なかなか事後的にしか分からない難しさがある。教えていただいてありがたかった。 |
27 ほとんどの大手メディア(NHK含む)が、政権寄りの報道しかしなくなった現在、大きな権力の意図を分析、解説してもらえる場は、一部出版やこうした草の根の学習会しかない、と感じています。 |
28 断片的に知っていた事柄がつながっていたということが分かってよかった。 |
29 これまでの経過を思い出すことができ、整理されたと思う。 |
30 大変分かりやすく、おもしろい話で引き込まれました。草の根運動の大切さも分かりました。 |
31 九条の会も老齢化しています。安保法制は、学生(シールズ)が活躍しましたが、九条の会に若い血を採り入れなければ、いずれ活動が衰退するでしょう。マンネリを打破し、もっと生き生きとした活動はないものでしょうか。 |
最近、立川駅頭で40代の主婦たちが憲法改正の署名集めをしていました。安倍政権を支援している桜井よし子が主導しているようです。 |
32 これまでの九条の会の歴史を述べられたが、現在の状況解決のヒントはいまいち。 |
33 これから(戦争法は)憲法9条違反という裁判があるけれど、いつも行政裁判は国側が勝訴してしまう。いつも納得できない状態で、外国先進国では同じ土俵だが、日本は国側が圧勝これはどうなのか。 |
日曜の朝、テレビで見ていたが、年配の人の多くは今の世は昔の戦争が近づいている時代に似てきたと言っています。少しぐらいが、いつの間にか大きな穴に崩壊してなると言っています。裁判がまともなら、水俣病、広島被ばく、福島その他の問題も解決している。福島のこと何も解決していない、かえって問題を増やしているのに再稼働とは何だ! |
34 九条の会の催しに参加させていただいている者です。小森先生の講演を聞くのはこれで3回目ですが、菜かなか分かりやすく明快で、頭にすっと入ります。早めに来ていたのですが、参加者が数えるほどで寂しい思いをしましたが、始まるころには満員の盛況で安心しました。若者と女性が少ないのが残念であります。
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