2017年12月10日(日) 第72回みんなで平和を考えてみる集い

日時  2017年12月10日(日)10時~12時

会場  小金井市商工会館2階会議室

演題  憲法9条と東アジアの安全保障~平和のために考える戦争と憲法~

話す人 柳澤  協二さん(元内閣官房副長官補 <安全保障・危機管理担当>)

柳澤 協二さんプロフィ

   1970年東大法卒、防衛庁入庁。官房長、防衛研究所を経て2004年~09年第二次小泉・第一次安倍、福田、麻生政権のもとで内閣官房副長官補(安全保障・危機管理)として、自衛隊イラク派遣、北朝鮮核・ミサイル開発、国際テロ対策などを担当。

   現在NPO国際地政学研究所理事長、自衛隊を活かす~21世紀の憲法と防衛を考える会代表

   主な著書に『辺野古問題をどう解決するか』(2017.6岩波書店・共著)、『新・日米安保論』(2017.5集英社・共著)、『民主主義をあきらめない』(2015.10岩波ブックレット・共著)、『亡国の集団的自衛権』(2015.2集英社新書)他多数。

力による抑止で高まるリスク、日本国憲法の理念は「非戦の誓い」だ

   北朝鮮に対する武力行使を背景にした日米の圧力外交で、東アジアの平和は実現するのでしょうか。戦争を誘発する大変危険な賭けです。力による抑止か和解による平和か、9条改定とともに日本の立ち位置が問われています。

   日本の国家像は、力にたよる国か争いを避ける国か、どちらなのか。憲法には「非戦」の理念が示されている。憲法前文には平和を愛する諸国民を信頼して安全を保持し、国際社会で名誉ある地位を占めたい、と書いてある。専守防衛に徹して外に敵をつくらない、相手に恐怖を与えて戦争の誘因をつくらない。他国の戦争に関与しないということだ。

   柳澤さんは、この戦争をしないことが名誉だという非戦の理念は、日本の安全を具体的に守る観点から言っても、いまだに有効なものだと思う、と結びました。

当日の講演記録

当日の模様

参加者アンケートのまとめ

 

【参加者数】

参加者 105

【参加者住所】

市内50人、市外55人 

【参加回数】

初参加11人 2回目10人 3回以上84人 

【アンケート回収数】

36枚(よかった31枚 ふつう2枚 よくなかった1NA2枚)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

.郵送案内のはがき(27) 2.市民掲示板のポスター(2) 3.新聞折込のちらし(1) 4.HPで(1) 5.友人・知人から聞いて(3) 6.メディアの案内情報(3) 7.その他(1

 

参加者の声

 

  安全保障、戦争、憲法上の軍隊保持などの話しがよく分かりました。また質疑応答が良いと思いました。

  本日はありがとうございました。最も適切なテーマでした。大変魅力にあふれた人格と講演で、講師の先生と企画に感謝します。「憲法の思想」と「戦争(軍事)への政治の力(クラウゼビッツ)」は今日の時代への強烈にして最も有効な提言です。今、数少ない稀有な政治を真に理解している思想家、政治家であることを知り大きな一日でした。

3 安倍政権に対して踏み込んだお話があったら、なお良かった

4 北朝鮮から攻撃をしかけることありえない、という考え方は同意します。至極当たり前と思うのですが、メディアからは無視されて、北朝鮮の恐怖が過剰に煽られていると思います。戦争はいつかは政治の力で止まり、絶対戦争には(ふつうは)ならない、という考え方は参考になりました。

 政府の動きは東アジアの安全保障、否、平和に水を差していくことが明白。明治~大正そして暗い昭和の歴史を辿っている。歴史に学べ!と言いたい。

    改憲反対への取り組み、講演、集会に参加するも、集まっている人たちはもともと反対の人たち。これらの思い、考えを広める方法は?

ある講師は“聴講した人たちが広めて”と言う。しかし、そんなことでは間に合わない。安倍は来年にも力づくで国会発議に持ち込む。デモも集会も盛り上がっていくだろうが、メディア・ネットの力を活用することが重要。

6 タイムリーな企画でした。

 日本の大学には「戦争学」という学問がない。研究が進むと天皇制批判にならざるを得ないので、取り組む学者がいないのではないか。今日は良いお話しだったと思います。

8 柳澤先生の自身の体験を踏まえて、貴重な参考になるお話しを聞くことができてとても良かったと思います。自分自身の問題として、これからも考え、行動していきたいと思います。

9 リアルな戦争論を聞き大変参考になりました。質問にも丁寧に答えられて感銘を受けました。辺野古の問題も聞きたかったです。

10 北朝鮮核危機が切迫している現在、これまでの経緯、見通し、どのような対策を強めていくべきかなどの説明を聞きたかったのだが、一般論に終始したのは残念。講師の経歴に興味を持ち期待していたのだが。

11 風邪気味のなか、来てくださってありがとうございました。静かな口調のなかに言いたいことは伝わりました。これからも頑張ってください。

12 柳澤さんのお話で、今の政権の煽る手法に対する私たちの冷静な判断のための考え方を、具体的に教えていただき感謝です。しかし、ここまで米国に一辺倒で深入りしてしまって、自主外交ができる能力が日本にあるのかと不安になります。

13 戦争をしないことが名誉、戦争に勝者はない、国破れて山河なし。核+地震(原発震災)での滅びの道を防ぎたい。

14 難しい問題であり、お話も理解できない部分もあった。これからも考えるきっかけにしたい。

15 ありがとうございました。充実した内容に付いていくだけで脳力を使い果たし、恥ずかしながら何も書けない状態で申し訳ありません。もう少しするといろいろ考えも浮かぶと思うのですが…。

16 大変分かりやすくバランスのとれたお話でよく理解できました。

17“非戦という名誉“これが日本の最も大切なことと思います!

18 問題点が大変よく分かりました。「非戦」の思想の重要性がよく理解できました。

19 非戦、戦争をしないことが日本の名誉、このことこそ一番大事にしなければならないと思った。戦争で国民は守れない、東京にミサイルが撃ち込まれる可能性もあるというお話しだったが、日本海側に並んでいる原発が狙われる可能性も大いにあると思う。そうなれば被害はさらに甚大になる。ミサイルを撃たせない努力が必要だが、日本はもっと外交ができるようにならなければならない。

20 「憲法」を“非戦”という思想であらためて考えてみます。

21 どうしたら戦争が防げるのかが、また自分としてどう考えるのかが非常に重要だと分かった。レジメが大変よく出来ていて、後でじっくりと読みたいと思います。質問に対する回答も大変参考になりました。いままで他では聞いたことのない有益な講演でした。

22 TV、マスコミの連中の腐りきった体質でアベの高笑いが聞こえて来そうです。憲法改悪は第9条だけではなく、自民党のタカ派の連中あるいは日本会議の連中は憲法全体を改悪すること、すなわち国民主権を否定し平和主義否定、基本的人権制限及び国防の義務すなわち徴兵制の復活を目論んでいることだと思います。

     国民投票に備えて、こうした明治憲法的な面をアピールすることが必要だと思います。若い人たちにもう少し政治に対して興味を持ち、憲法に対しての危機感を持って欲しいと思います。

23 (北朝鮮問題は)和解で解決すべきとの話はもっともだし、反対の人は少ないと思う。しかし、KEDO(朝鮮半島エネルギー開発機構)等の経過を踏まえて現状があるのであって、(解決の)手法は役人が考えろ、というのは不十分。“和解で解決”については、価値観が異なる相手とどう話をするのか、具体的な提案例が欲しかった。

専守防衛の考え方は分かるが、現実にそれが可能な体制に日本がなっているのか、お答えいただきたかった。

24 防衛の専門家のお話は大変参考になりました。私は憲法九条二項の廃止を望みます。九条は改正すべきです。ただし安倍改憲案はNOです。

25 大変分かりやすく、平易な言葉のなかに、お孫さんの姿が見える人としての心情あふれるお話し…すごく胸に響きました。

26 いつか来た道であり、戦争の反省がない者の天下である。安倍政治の積極的平和主義とは、国民に恐怖心を煽り国民を味方につけ自分たちの天下を守りたいのであろう、と話を聞きながら考えた。

27 「政治に煽られてはいけない」ということだったと思います。落ち着いて思考する大切さを感じさせられました。それにしても今のマスコミの怖さを感じました。

 

■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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