■第77回みんなで平和を考えてみる集い

講演    参院選に現れた民意と今後の日本政治

話す人  山口   二郎 (やまぐち じろう)さん(法政大学教授、立憲デモクラシーの会共同代表)

日時    2019年8月25日(日)10時~12時15分

場所    小金井市市民会館萌え木ホール

■山口二郎さんプロフィール

  1958年岡山県生まれ。81年東京大学法学部卒業、同学部助手を経て84年北海道大学法学部助教授、93年教授。200年同大学院法学研究科附属高等法政教育研究センター長。05年同大学公共政策大学院教授、大学院法学研究科教授、パリ国立政治学院客員教授経て、14年4月より法政大学法学部教授。専攻は政治学、行政学。08年-10年日本政治学会理事長。立憲デモクラシーの会共同代表。

  主な著書に『政権交代とは何だったのか』(岩波書店、2012年)、『いまを生きるための政治学』(岩波書店、13年)、『徹底討論 日本の政治を変える』(共著、岩波書店、15年)、『資本主義と民主主義の終焉』(共著、祥伝社、19年)他多数。 

■ 野党の再結集が求められる、諦めないで政治を変えて行こう  

  7月の参院選の結果は、自公与党が改憲発議に必要な議席の3分の2を割り込みました。しかし、安倍首相は任期中の改憲に執着し諦めていません。危機は続きます。いよいよこれからが正念場です。山口二郎さんは、市民と野党をつなぐ中心で奮闘している政治学者です。参院選に現れた民意と今後の日本政治についてお話しいただきました。

  講演の冒頭で、弊会の平和を考えてみるの集いに触れて、8月は鎮魂の夏であり大学の夏休みを利用して吉田満の「戦艦大和ノ最期」(講談社文芸文庫)を読んだことに言及しました。兵は誰も天皇のために死んだのではない、英霊にしてはならない、生きろ、生きたいと苦悩して死んでいった無念の死だったはずだ。この国を再び戦争ができる国にしてはならない、と語りました。

  いま若者世代の安倍政権への支持率が高い、なぜか。バブル崩壊後の就職氷河期を経験し経済の停滞しか知らない世代であり、加えて3.11の衝撃で、それ以上には悪くないほどほどの現実に対する満足感があるからではないか。だから安倍政権がもたらした現状肯定ではなく、現状肯定がもたらした結果の長期政権ではないか、と語りました。

  来年秋までに必ずある衆議院総選挙に備えて野党再結集が求められている。そのためには野党は到達目標の違い、遠さが違うのは当たり前なのだから、向かう方向が同じなら途中まで一緒に行くのが連立政治である、それができるか否かが問われている、と語りました。

そして会場の多くを占めたシルバー世代の参加者に対して、残りの人生、安倍政権を倒してからあちら(世)に行きましょう、と檄を飛ばし、参加者の笑顔を誘いました。 

■当日の会場の模様

■当日の講演資料

190825講演資料.pdf
PDFファイル 937.9 KB

■参加者アンケートのまとめ

 【参加者数】

参加者 179

【参加者住所】

小金井市内85人、市外94人 

【参加回数】

初参加40人 2回目2人 3回以上137

【アンケート回収数】

39枚(よかった37枚 ふつう2枚 よくなかった0 NA 0枚)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

.郵送案内のはがき(20) 2.市民掲示板のポスター(0) 3.新聞折込のちらし(4) 4.HPで(0) 5.友人・知人から聞いて(2) 6.メディアの案内情報(11) 7.その他(1)  

■参加者の声

1 山口氏の人柄があふれた分かりやすい講演会でした。安倍政権打倒のために、野党結集、市民の力でがんばってほしい。

2 具体的で分かりやすくよかった。

3 いちど直接お話を伺いたいと思っていたので、機会を与えていただきありがとうございました。お話も同感、納得できる部分がたくさんありました。

4 地道に野党を増やして行く他ないと思う。公明党の自民党との連立は許せない。党勢を強めるための自己中心である。

5 分かりやすいお話で、現状の政治意識がよく理解できました。

6 こんな大事な話し、相も変わらずほとんどの人が年配者ばかりで、若い人たちの無関心さがこの国の政治思考能力のレベルの低さを物語っていると思います。このような状況では、アベの高笑いが聞こえて来そうです。憲法改悪の危機感をひしひしと感じます。憲法改悪は第9条だけではありません。アベ、日本会議、サクライヨシコ、西修などの本音は、国民主権を否定し天皇主権を復活し、基本的人権を制限して平和主義を否定する。義務が少ないという理由で兵役の義務までありそうです。

こうした危険な面を9条を護ると共にアピールしていく必要があると思います。

7 現状の政治状況についてよく分かった。理解を深めることが出来ました。

8 今後の(野党共闘の)行き先の話しが面白かった。よいお話でした。

9 満員で後部座席で聞き取りにくかった。現状分析は分かりやすかった。

10 お話が分かりやすくて良かった。今後もどんどん左派応援団としてメディアに出てください。

11 もやもやしていたアベへの不満も解消、歯切れよくひとつひとつ分析し付け加え、力強い言葉に励まされました。ありがとうございました。またこんなにたくさんの方々が集まっていることに勇気をもらいました。遠くから参加してよかったです。

12 今日はありがとうございました。若者が政治を「諦めている」背景が分かりました。

13 山口二郎さんが東京新聞のコラムから消えたのが残念でなりません。山口さんの講演を聴く数を多く得たいと願っております。

14 話の内容が理解しやすかった。一強集中の内容が分かった。

15 戦後のこの国の政治を包括的に理解でき、大いに勉強することができました。とくに今後の展望も含め具体的な政策課題を示されたことはよかったです。先生の現実と理想をしっかり踏まえたお話は学ぶところがありました。

16 安倍政権の個々の問題もいろいろありますが、先生の冒頭に話された民主主義の問題が一番大切だと思います。国民をダメにします。

17 講演の基調とご提案については、とても良い内容であり、十分納得のいくものでした。

18 富の分配を問うれいわ新撰組が入ったことで、少し参院選が面白くなり、政治が少し若返った。頭の痛い要因が多いが、何か若者、子供が安心できる社会をめざしたい。そのためには保守の人たちも巻き込んだ状況をたくさんつくっていきたい。

19 東京新聞に連載されていたコラムに共感することが多く、山口先生はどんな方だろうと思い、本日参加しました。お話はすっきりとしていて、分かりやすかったです。私はふだん、もやもやしながら与党の支援活動をしています。本日のお話は勉強になりました。

20 とても内容が分かりやすく、政治学的分析が見事です。展望も示してもらえました。ありがとうございました。

21 切り口が良かった。

22 山口二郎氏がこんなに人気があるとは思いませんでした。見直しました。野党共闘を頑張って欲しいですが、枝野氏が野党第一党の党首で良いのがゴールなら、ものすごく時間がかかるのでは、と懸念します。

23 とても分かりやすく納得のいくお話しでした。

24 政権を変えるためには何を、と参加しました。日本人の現状(あきらめ、期待なし、現状肯定)に納得。民意の今の立ち位置を知りました。講演の最後に希望を持てて一安心しました。野党の仲間づくり、ささやかな運動いたします。

25 日本の周辺環境の変化に対し、日本の政治はどうあるべきかとの言及が欲しかったです。例えば、タンカー警護のための自衛隊派遣、香港の民主化運動について、米中の貿易戦争について、チベットウイグル問題など。

26東京新聞コラムニストで法政大学教授の山口二郎さんの話はわかりやすかった。6割がアベに反対するもアベ1強が続くのはなぜか。とにかく変化を恐れる国民感情とアベにあおられた民主党悪魔論による。ただし野党再編など明るいニュースもないわけではないが、依然として厳しいなかシルバー世代はガンバロウで締めくくられた。

    山口教授は都知事選の話をスルーしたので(質問で)私は食い下がったが、お茶を濁された。山口教授は出馬するつもりか。あるいは山本太郎氏との調整か。さてどうなるか、とにかく小池は退場してもらいたい。

私は事務局へのお願いとして今日のセミナー内容が東京新聞にデカデカ載るようにしてもらいたい、と申しあげた。そして平塚に帰ったら河野太郎を排除して平塚を住みよくする会を立ち上げ今日のようなセミナーを開くむね意思表示した。

演壇のバッグに掲示された横断幕にある「主催 小金井を住みよくする会」は小金井をそれぞれに地区:例えば三鷹・国分寺・・・・などに地区名を変えればそのまま使えるのだ。配布資料、講師など今回のフォーマットを使い標準化すれば面白い、と思った。

例えば都知事選。東京都には65歳以上の人口が約308万人。前回第1位の小池の得票数は291万票であった。65歳以上の投票率が70%・得票率70%であれば65歳以上で150万票、こうなれば当選できると思う。

■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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