日 時 8月23日(日)10時~12時
場 所 小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)
演 題 自衛隊の海外派兵と憲法9条
~名古屋高裁イラク派兵違憲判決が問うもの~
話す人 北村 栄さん (弁護士、イラク派兵差し止め訴訟弁護団)
■北村 栄(きたむらさかえ)さんプロフィール
1955年生まれ。京都府出身。名古屋大法学部卒業後、平成4年弁護士登録。名古屋第一法律事務所所属
【当日の模様】
■歴史的・画期的な違憲判決
2008年4月17日名古屋高裁は、イラクでの航空自衛隊の空輸活動は国際紛争での武力行使を禁止した憲法9条1項に違反する、と明快に認定しました。また判決は、これまで裁判上では抽象的権利とされてきた憲法前文の「平和のうちに生存する権利」に、具体的権利性を認めました。初の9条1項違反判決、初の高裁違憲判決、初の確定判決です。
この裁判は4年にわたり、全国から5,700人もの原告(市民)と800人を超える弁護士が一緒になって取り組んできた草の根からの成果であり、今後の反戦平和運動の大きな力になるものです。
■この違憲判決をどう受け止めるか、訴訟弁護団から聞く
この間、防衛庁が防衛省になり、有事法制や憲法改悪の国民投票法が制定され、この違憲判決に自衛隊は「そんなの関係ねぇ」(田母神前航空幕僚長)と言い、政府は何の反省もなく再びソマリア沖に自衛隊を派兵しています。
この判決を実体化させる私たちの「不断の努力」(憲法12条)が問われています。
64回目の「鎮魂の夏」は、平和と戦争問題を訴訟弁護団に参加した北村栄弁護士と共に考えました。
【参加者の声】
参加者 62名 |
1 実に分かりやすく、論点を押さえておられ、直接お話しが聞けてよかった。北村さんの熱情がビンビン伝わりました。レジメ、資料が十分に用意され、全体が良く分かりました。判決を今後の力にしていく取り組みが大切である、と実感しました。 |
2 DVDの上映はとてもショックでした。一人でも多くの人に見てもらいたいと思いました。北村弁護士のお話しは、直接法廷で闘われた生々しい様子をお伺いすることができて感動しました。たくさんの資料も準備されてありがとうございます。今後いただいた資料をよく学習して、まわりの人々にも広げて行きたいと思います。 |
3 裁判について詳しく知ることができた。映像で戦争の悲惨さを知り、平和の大切さを実感した。憲法9条は守る。 |
4 この裁判についてはほとんど知らなかったが、情報を得られて貴重な機会であった。平和が一番大切だと思う。 |
5 あの時の判決の感激を思い出しました。 |
6 今日、出席したおかげで最高裁裁判官の国民審査で×をつける人が判って大変良かったです。うちには娘夫婦の他、孫二人に選挙権がありますので、彼らにもちゃんと伝えます。五人の×が入ります。 |
7 毎回、連絡ありがとうございます。今回もよい講演会に参加でき感謝しています。 |
8 以前小金井に住んでいたこと、講師とのご縁もあり参加させていただきました。知らないことの恐ろしさ、それから知ったことに対する責任というものについて考えさせられました。特にDVDを観た後では、言葉を失いました。積極的に関心を持つ、自分はどう考えるか意識して行こうと思います。ありがとうございました。 |
9 北村弁護士さんは、おもしろい方ですね。職業を楽しんでいる様子が感じられました。こういう方が正義感にあふれ頑張ってくれるのですね。私は署名活動くらいしかできないので、本当に頭が下がる思いです。正義に対して疲れないよう、あきらめないよう争って欲しいです。切に願います。生存権裁判もすべて不当判決です。目に見えない何か大きなカベを感じざるをえません。 |