▶2015年3月1日(日)                第64回みんなで平和を考えてみる集い

日時  2015年3月1日(日)10時~12時15分

会場  小金井市市民会館萌え木ホール(商工会館3階)

演題  「オール沖縄」・沖縄が切り拓く新しい道

     ~2014年知事選と総選挙、沖縄からの報告~

話す人 糸数 慶子さん(参議院議員、沖縄社会大衆党委員長)


■糸数慶子さんプロフィール

 1947年沖縄県読谷村生まれ。米軍占領下で育ち、基地の重圧と平和の尊さについて身をもって実感。読谷高校卒業後、バスガイドに就き、常に平和の視点と沖縄独自の自然や文化にスポットをあてて沖縄を伝え続け、平和バスガイドのさきがけとなる。1992年の沖縄県会議員選挙で「もっとピース、もっとフェア」を訴え初当選。以降3期連続当選。

 2004年参議院選挙に全野党共闘候補として「平和の一議席」を訴えて当選。現在3期目。国会内では無所属、内閣委員会委員。沖縄社会大衆党委員長。著書に『沖縄の風よ薫れ』(2013年高文研)ほか。 


■当日の講演記録 「オール沖縄」・沖縄が切り拓く新しい道

当日の模様

保革を超えた「オール沖縄」の勝利から学ぶものは

 昨年末の衆議院選挙の結果は政権与党の勝利に終わりましたが、沖縄では全4選挙区とも保革を超えた野党協力で勝利しました。しかし、安倍政権は選挙で示された沖縄の民意をまったく顧みようとしません。民主主義の否定です。

普天間米軍基地の辺野古移転問題で、なぜ保革を超えた「オール沖縄」の反対闘争が実現できているのでしょうか。「オール沖縄」の背景には20年前の1995年米軍兵士による少女暴行事件が起点となっており、県民の怒りの根源になっています。

また、沖縄の地上戦の惨禍で沖縄の人は誰でも身内のなかに犠牲者がおり、これが戦争反対、平和憲法9条を守れという保革を超えた共通の思いの原点になっています。

これらのことを、糸数さんはご自身のお母様が沖縄戦で3歳の息子(糸数さんのお兄さん)を亡くされたとき、我が子の死を認めず何日も抱き続け、たまりかねて親族が引き離して埋葬すると、埋めた遺骸を掘りだそうとした例などと共に戦争の悲惨さを話されました。涙する参加者もいました。

そしてこの沖縄の闘いに対して、本土の人たちも「戦争反対、平和憲法9条を守れ」の一点で共闘して、安倍政権の暴走を止めて欲しいと訴えました。

参加者からの“運動を拡げるためには”という質問に、「若者の参加」「女性の突破力」「メディアの利用」がポイントになるのでぜひ考えて欲しい、と答えられました。


【参加者アンケートのまとめ】

【参加者数】

   参加者 135

【参加者住所】

 市内82人、市外53人 

【参加回数】

 初参加33人 2回目12人 3回以上90人 

【アンケート回収数】

 36枚(よかった33枚 ふつう1枚 よくなかった0枚 無回答2枚)

【講演を知った機会】(複数回答あり)

  1.郵送案内のはがき(22) 2.市民掲示板のポスター(5) 3.新聞折込のちら

 し(5) 4.HPで(1) 5.友人・知人から聞いて(3) 6.メディアの案内

 情報(4) 7.その他(0) 


【参加者の声】

1 沖縄の現状、オール沖縄がどうして生まれたか分かりやすく話してくださった。民意が伝わらない政治とは、それを許している現在の多数派、現行憲法の精神をあらためてしっかりと守ることの大切さ、いまこそ頑張らねばと思う。

2 沖縄地元の生の声が聞けたのがよかった。先住民会議出席という話は初めて聞きました。質疑応答がよかった。

3 これからも平和のために活躍してください。新聞などで知る以上の内容があってよかった。

4 内地の新聞では決して知ることのできない情報、現地で生活している人にしか分からない住民の状況がひしひしと伝わってきた。ユーチューブで拡散できるとのこと、広く友人たちに伝えたい。

民意無視は沖縄だけではないのだけれど、他人の不都合には無関心なのが人の常?「茶色の朝」を生きていることをどう認知できるのか…。右翼の罵詈雑言が標準語になりそうな“今”を憂えています(首相自らが「日教組」と野次る国柄ですから)。「暗い話は嫌だ」と政治的話題を嫌う人たちに届く言葉はないものなのでしょうか。

5 戦争における一般人の悲惨な状況が戦争への認識を改めなければならないほどに実感できるお話しでした。いかに平和に徹することが大切かは、こういう経験を継続して語り継ぐことを通じて伝えられるものかもしれない。

6 沖縄のことが少しは理解できました。すごく、というには勉強不足ですので。説得力のある話、内容でありがとうございました。今の政治の動きには不安を感じます。本当に戦争する国になりそうで不安です。メディアに取り上げてもらえるような運動、アイデア、大事ですね。

7 生々しい体験談に感銘しました。

8 生の声が聞けてよかったが、もっと多くの人が関心を持てるようにしなければと思います。

9 東京で生活していては知りえない沖縄の現実と、日常生活の離反の深さが理解できて、大いに反省させられて勉強になりました。日頃、沖縄の大変さは想像してはいますが、情報が耳に入ってこないのでどうしてもぼやけてしまいます。今回の講演はとても貴重なお話であったと感じています。たぶん沖縄のことを心配している日本内地の人は、とても多いと思います。若い頃、沖縄のガマへ一度だけ入った経験があります。その経験の深さは今でも消えません。

10  沖縄の現状を詳しく学ぶことができました。分かりやすい講演でした。

11  やはり地元出身の方の話は力強く実感がありました。久し振りに力強い講演を聞き感激しました。今後も活躍してください。応援しています。

12 沖縄問題について深い関心を持っています。この会で講演を聞いたのは初めてでした。糸数さん、ご多忙のなか来てくださってありがとうございました。(沖縄の)「先住民」としての訴えが、本土側の差別意識を高めるのではないか、という危惧があります。これを念頭に置きながら、沖縄への偏見を持っている人たちの意識と関わっていきたいと思います。

13 泣きました。ありがとうございました。ユーチューブで拡散します。オール沖縄のすべての議員の話が聞きたいです。「オール東京」をつくりたいです。

14 大変具体的なお話で良く理解できました。憲法はどうしても守るべきという覚悟が強まりました。

15 沖縄の情報は大手メディアが取り上げないため、実情を知ることができてとても良かったです。歴代で最も幼稚な首相と最も冷酷で狡猾な官房長官が進める“弾圧”を、ほとんどの有権者は知らないと思います。そうしたなか、本土の人に関心を持ってもらうことは本当に難しいです。

  「基地NO!」だけでなく「基地は安倍首相の地元、山口県へ」「石破さんの地元鳥取へ」など具体的な提案をすれば、少しは日本全体の問題として考える人が増えるかな、と考えています。沖縄の優しさからそれはできないかも知れませんが。

16 沖縄の現状を詳しく説明していただいて大変よかったです。

17 最後の永井博士(長崎)のことば(「この子を残して」)は、胸に迫りました。半世紀以上前のことばとは思われない、まさに今の時代を語っているかのようなことばに驚きました。民主党は確かに悪かったが、かといって自民党に戻るとは「国民は何を考えているんでしょうね」という苦言も同感です。歯切れ良い弁舌に何度もうなずきました。

18 糸数さんの話が大変分かりやすく、初めて知る沖縄の情報を知ることが出来ました。憲法を守る戦いをしていきたいです。

19 普天間基地撤去の問題は、糸数さんのおっしゃたように、米兵による少女暴行事件から沖縄の基地負担軽減ということで始まったのに、そこがすっぽり抜けてしまっているように思う。だから辺野古に新基地をつくるというのはもってのほかだ。そのことを中心に据えて考えたら、日米政府のやっていることは本当におかしい。

20 イデオロギーよりアイデンティティ。保革を超える共闘。沖縄の「オール沖縄」の闘いを全国に拡げること、拡げていくことの必要性に強く共感しました。

21 沖縄の状況、課題がとても分かりやすく話されてよかったです。糸数さんのお母様の話はとてもつらい話でしたが、戦争はいけないんだという説得力はすごいものでした。息子にも聞いてもらいたかったです。地位協定の学習をグループでやったことがあったのですが、本当に腹立たしく思いました。沖縄の基地に関しては伝えられているけれど、琉球民族の問題については歴史としては知っていても、現在の問題ということでは理解していませんでした。教えていただいてよかったです。沖縄の方としては、本当に「差別」の歴史でした。

22 私が一番心配していることは、沖縄県が独立してひとつの国家になることである。私たちの仲間である沖縄の人々が日本から離れてしまったら、さらに日本本土は幸せをなくし、意欲をなくしてしまう。何としても安倍を倒さなくては、安倍たちは財閥を応援して金もうけを考えている。もと長州の残党は薩摩と同じように残酷なものである。安倍も長州の血が流れていて同じである。

  糸数先生のお話は、体験と世界の平和を考えるのにとても明確なものである。感謝します。抵抗運動を手伝わなければならない。マスコミはのんきな報道だけである。この沖縄の現状をていねいに、しっかりと報道させなくてはならない。どういう手立てがあるか。

23 糸数さんの体から発する沖縄のこころ、平和のこころを感じ取りました。先住民族の差別撤廃の運動など、糸数さんならではの活動と思いました。戦争はまさに人をどんなにみじめにするか、よく分かりました。

24 沖縄戦への言及がとても印象的であった。琉球の自治政府、独立への移行の主張が出てきている。この主張を射程に入れて本土の運動をどうリンクさせるのかも課題。アジアの人々との交流について語られたのもよかった。日本に組み込まれる前の琉球は、言われた通りアジアの諸民族、庶民衆と交流し交易を行っていたことを、我々はよく認識せねばならない。

25 沖縄の状況、バックボーンがよく分かりました。ありがとうございました。

26 戦争体験をした人で靖国崇拝をしているが「戦争だけはいやだ」と言う、まさしく永井博士の語るとおり。女性らしい感動的なお話で、多岐にわたり沖縄の歴史や現状が改めて理解できました。

沖縄は属国そのもののようだが、日本であれば日本はアメリカの属国ということになるか。アメリカの朝鮮、ベトナム、中東での虐殺は日本帝国主義と似たり寄ったり。このアメリカの産軍複合体と一体の安倍(そして岸)の野望、元佐藤総理のノーベル賞平和賞は焼き捨てる必要があるようだ。辺野古の海を守ることを世界に訴えて、憲法9条と同じく、世界的な協力も必要なことと思っている。アメリカ人でもフランス人でも人間は悪いのばかりでなく善人もいることで同調しよう。

27 問題があった方が地域が団結すると思いました。東京にも共通する問題を見える形で認識した方がまとまれるんでしょうか。男女問わず、年齢問わず共通する問題を共有することが東京でもできるでしょうか?

28 辺野古問題のみならず、明治以降今まで沖縄が不当に扱われてきた経過がよく分かりました。


■過去の講演記録■■■

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2016年12月4日(日)

午前10時~12時

ピースアクション講演会

「もしも、自民党改憲草案が実現したら?」

場所 小金井市萌え木ホール

参加費 500円

主催 こがねいピースアクション2015実行委員会

1204内山宙さんチラシ.pdf
PDFファイル 1.1 MB

過去の講演関係の

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